進修館とは -コミュニティセンター 進修館 についての詳細です。-
コミュニティセンター 進修館
- 開館
- 昭和55年 ( 1980年 ) 4月
- 建築年月
- 昭和54年 ( 1979年 ) 3月 ~ 昭和55年 ( 1980年 ) 5月
- 面積
-
- 建設面積2,484平方メートル
- 延床面積2,955平方メートル
- 設計
- 象設計集団
- 施工
- 間組
宮代町のシンボル建築、コミュニティセンター進修館は、
象設計集団が設計したユニークな建造物です。
コミュニティの拠点として、各種発表会や地域住民の会議、
サークル活動など、多くの方に利用され、愛されています。

設計者の想い -コミュニティセンター 進修館 を設計した象設計集団による想い-
設計者の想い
~「宮代の魅力を考える」シンポジウム 基調講演「進修館は世界の中心」 ( 2006年4月22日 ) から抜粋~
“世界の中心”が示すもの
進修館は本当に世界の中心かといいますと、
「いや違う、私の家こそ中心です」
とおっしゃる方もいらっしゃるのではと思っていますので ( むしろそれが願いですが ) 、
「進修館も世界の中心」
というタイトルの方が良かったような気がいたします。
世の中には、たくさんの中心があってその中心からいろいろな力が発散されて、
そしてその中心に発散した力のお返しが戻ってくるようなイメージです。
そんな中心があちこちにあって、
その力が重なり合っていく社会ができてきたらいいなという気持ちで、
ここでは「中心」と言っています。
進修館の見えない骨格

進修館の広場の真ん中に中心があるとしたときに、
そこから放射線が一定の角度で世界に向かって
伸びていっているわけです。
そして、見えない線の方が多いのですが、
見えているところが進修館を構成している
基本的な骨格になっております。
そのうちの1つで、
図の右下 ( 南 ) から広場の中心 ( 北 )
に伸びている光路が南北軸といって南北の線です。
そして、もう1つの軸がちょうど富士山と筑波山を結んでいる光路です。
この2本の光路が大変重要な軸線になっております。
小ホールを出たところの光路が南北軸で、
食堂と大ホールの間の光路が富士山と筑波山を結ぶ軸になっています。
この限られた土地の中に立っている建物ですけれども、
富士山だとか筑波山だとか北極だとか南極だとか、いろいろなものを取り込もうと、
とても欲張ったイメージでスタートしているわけです。

放射線と同心円 ( いろいろな直径の円 ) の輪と、
それから、そこに細く縦横の碁盤目が描いてあります。
これが東西南北の線です。
進修館の屋根の上にも中庭にも、
ブドウ棚を支える柱がたくさん立っていることに
お気づきかと思います。
3.6メートルピッチで縦横の碁盤目の上に
柱が立っております。
それが東西南北を示しておりまして、これも見えないところまでどんどん伸びていくと、
地球上を覆う網の目になっていく。
そして、その一部が進修館で目に見えていて、ブドウを支えているというイメージです。
南北の線と中心から世界へ伸びていっている線と
世界に広がっているような波紋のような線の3つが重なっています。
さらに、宮代町の地形のようなあいまいなひだみたいなもの、
この4つが重なっているとお考えいただきたいと思います。
街なかに『農』を溶け込ませる
街なかエリアにある進修館に
農村エリアの屋敷林のイメージをもってこようというのも強い願いでした。


宮代の一番いいところは、
きれいな屋敷林と水田だと思っています。
屋敷林と水田の美しさが保たれた宮代の、
街なかに建つ進修館は、農業や自然を敬う
心のシンボルであってほしいと思っておりました。
進修館もブドウや木々に包まれて、
植物と建物が一体となったような場にしようと
考えたわけです。
ご覧のように屋敷林 ( グレーに塗ってあるところ ) と
水路 ( 黒い線 ) が、ちょうどタテ糸とヨコ糸のように
風景の織物を作っているように感じられます。
実に美しく、どこに立っても
屋敷林で囲われているように感じられます。
あまり広く全体が見えないで、
屋敷林が幾重にも重なって向こうに見えて、
その中心に自分がいるというような感じを
あちこちの場所で受けることができます。
宮代町の風景には、囲われた安心感があります。
20年目の化粧直し
農のあるまちづくりという構想が出来上がった頃でしょうか。
平成12年前後だと思います。
ちょうど進修館の表面が風化してきたので、
これをひとつの節目として元に戻そうという計画が持ち上がりました。
地元の建築家の方々は、打ち放しの感じをとても気に入っていらして、
またあの感じにしようというお考えがありました。
ところが、本当の打ち放し風にするには、名人芸でやらなければならず、
そうするととてもお金がかかるそうです。
そこで、お金がかからないようにすると、
グレーの膜を薄く塗ったような雰囲気になってあまり化粧直しという感じがしないし、
もとの打ち放しの雰囲気にもならないということが見本をいくつか見せてもらって分かりました。

また、もともと進修館をつくったときは、
新しく、力強いダイナミックな骨格をつくろうということが最優先でした。
それから20年がたって、農のあるまちづくりに重点が置かれるようになり、
力強いだけではなく奥の深い艶やかなまちづくりのイメージもあったので、
ここで少し色をつけるという考えはいかがでしょうかということを申し上げました。
そして、現在の色になったのですが、南側と北側では色の感じを変えております。
南側は常に光があたっている面なので、
トマトやにんじんなど太陽に向いた元気なイメージの色にしました。
また、北側である進修館の庭は建築では常に直射日光のあたらない影の部分になり、
そこで、南側で使うような色をつけるとあまりきれいにならないような気がしたので、
ブドウ色にして影の中で艶が出るような色を選びました。

進修館前の広場には、すり鉢状の空間があって
その中に大きな空気の塊があるようなイメージがありました。
旧庁舎がなくなって、その広場をどのように整備していくかという計画のときにも、
ひとつの大きな空気の塊が入るような空間ができていくといいと考えています。
そして、ここが世界の中心だ、ここに世界中の何かを集め、
そこでできたものを世界に向けて発信していくというようなイメージの中心的な点が
できるといいと考えています。
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